2016-04-13

Moeke Yarnsの今とこれから

今回は、Moeke Yarnsについての記事です。

先週、生産者であるIoanaさんがブログを更新されました。
現在Moeke Yarnsが直面している問題と、今年の展望についての記事でした。

ぜひ、Moeke Yarnsの糸を編んでいる、またこれから編もうとしている日本のニッターの皆さんにも、内容を共有してもらえたらと思い、要約をここでご紹介します。

(Ioanaさんより、日本語で紹介する許可を頂いています)
(しかし私の拙い英語レベルでは、はなはだ心もとない・・ので、是非、原文もご覧になってくださいませ~><)




 In fact, we were disappointing many of you who were trying very hard to get their hands on some Elena yarn to make Bright or Teru sweater. 
昨年生産した羊毛のストックが底をついてしまい、Elenaを探している皆さんをがっかりさせてしまっている、というところから記事は始まりました。

Moeke Yarnsは、Ioanaさんとそのお父さん・弟さんの三人で運営されている、家族経営の本当に小規模な糸ブランドです。
地元の羊毛農家から100%ルーマニア産の羊毛を仕入れ、その羊毛を環境に負荷をかけない方法で洗い、100年前の機械を持つ紡績所で紡績し、オンラインのHPを運営し、SNSでの交流もして、デザイナーとのコンタクトも取り・・





実のところ、年間に200kgほどの糸の売り上げが目標であって、家族三人だけでできるのはそのくらいが限度であろうと思っていたそうです。
And the pressure of this unexpected growth was very hard to cope with. Our health, family life and general well-being were affected and it took us all the stubbornness and motivation to keep going. 
想定外の(ビジネスの)成長により、Ioanaさんたちは疲労困憊し、趣味的な、副業的なビジネスのはずが、健康や実生活を脅かされるほどの事態になってしまいました。


しかし、Moeke yarnsの糸を待ち望んでいる編み手たちのために、Ioanaさんたちは今後のMoeke Yarnsのありかたを模索しました。

伝統的なルーマニアの毛糸を生産することと、それをきっちりとした規格化が求められる海外市場で販売することは、相容れない面がいくつかあります。
その調和をどのようにとっていくのかについて、課題が挙げられました。
  1. かせの重量が安定しない…製品としてでなく、自分たち用の糸を紡績するのが現地の人々の考え方であるため、かせの重量をキチンと揃えるという意識が薄い。
  2. 糸の太さが安定しない…元々、ルーマニアで飼育されている羊は単一の品種ではなく、幾つかの品種が入り混じっているため、均質な羊毛を調達しにくい。また、用いる紡績機によっても糸の太さが変わってくる。

これらの課題に対し、
  • 現地農家・紡績所に、製品として売るためには安定した品質が必要であることを説明し、理解してもらう。
  • 製品のラベルに、製造年や製造元などの情報を記載して、編み手に対して「ロット違い」が分かるよう配慮する。
  • かせの重量が大幅に違う場合は、糸を切ったり結んだりして重量を揃える。
等の対応をしていくとのことです。


Ioanaさん(@moekeyarns)が投稿した写真 -



品質を一定に保つことは、まだなかなか困難な点も多いようですが、Ioanaさんは、
We decided that we will stay true to our mission. We will continue to work with local shepherds and local fiber mills, we will continue to put lots of work in producing yarns that are minimally processed and we will not (never, not now and not in the close or distant future) use any kind of aggressive treatments for cleaning the wool such as carbonization or bleaching. 
ルーマニアの羊毛農家と紡績所の人々と共に、伝統的な手法によりルーマニア毛糸を生産するというMoeke yarnsの理念に忠実であり続ける、と強く述べています。


また、今年の変更点として、
  • 草木染め糸は生産しない。ナチュラルカラー…つまりElenaのナチュラル・グレー・ブラウン、Transylvanian merinoのナチュラル、Herritageのグレー…のみ生産する。
  • 新たに協力してくれる紡績所が見つかり、シングルプライだけでなく2plyの糸も生産できるようになった。
  • 初めて家族以外のフルタイムの社員を雇い、羊毛を洗うプロセスを手伝ってもらうことになった。
  • JunkoOkamotoさんの他に、新しいデザイナーさんのパターンも発表される予定!!❤︎❤︎
とのことです。



以上、長々と読んでいただきありがとうございました。。


Moeke yarnsの糸はまだまだ入手困難で、残念な思いをされている方も多いと思います。
また、かせの汚れだったり、色合いが違っていたり、かせの重量が一定でなかったりして面食らった方もいらっしゃると思います。

しかし、生産者としても、伝統的ルーマニア毛糸の品質や生産量を保つことについて、最大限努力しているんだということをお伝えしたいと思い、この記事を書きました。


超ワイルドで、エキゾチックで、だけど、編むとなんとも言えず愛着が湧いてくるMoeke Yarnsの糸たち…
もしまた、運良く入手できたなら、この毛糸を作ってくれたルーマニアの羊たちや人々の風景を思い浮かべながら編みたいです❤



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読んでいただきありがとうございました(*´ω`*)

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